2023/10/31
保険金不正請求問題について
現在、ニュース等で取り沙汰されている「自動車修理保険金不正請求問題」について、損害保険業界、中古車業界が大きく揺れています。
自動車ユーザーが安心、安全にカーライフを送るうえで、自動車保険は必要不可欠ですが、この制度を利用し、一部の事業者が修理費用の不正請求を行った事が問題であり、中古車業界への「ユーザー不信」を発生させている要因となります。
今回は、保険と保証の商品の違いをご説明します。
『保険』とは…?
まず「保険」は、事故による損害を補償するために保険金を受領できる仕組みです。一方で、自然故障による修理費用を保証会社が負担する仕組みが「保証」です。
当協会が推進している自動車保証(ワランティ)は、自動車保険とは違いメーカー保証等の期間が切れてしまった中古車を購入した場合でも、ユーザー利益保護を第一に考え、安心してカーライフを送っていただくために、第三者の保証会社が提供する有償のサービスです。
自動車保険の場合、支払われる保険金限度額又は実際の修理費用のいずれか低い方の金額で修理することが基本となります。
その為、保険金限度額よりも少ない費用で修理が可能にもかかわらず、「必要以上の修理を実施して売上や利益を確保したい」と考え、不正していた一部の事業者が問題となりました。この不正により、ユーザーが負担する翌年度の保険料が増額してしまう可能性があります。もちろん、不正自体あってはならないことです。
自動車保険では、事故などによる修理車両の損傷状況を修理工場が「修理見積もり」を作成し、損害保険会社へ申請をします。
損害保険会社は、申請された修理内容を確認し修理工場と協定を行い、決定した修理費用に従い修理を行います。
『保証』ワランティとは…
一方、自動車保証(ワランティ)の場合には、修理費用を第三者の保証会社が負担することから、事業者が必要以上の修理を希望した場合に保証会社がそれを認めることはありません。
また、修理に必要な交換部品を保証会社が支給するため、不正が発生し難い仕組みとなっています。もちろん、保証範囲内の修理においてユーザーに修理費用をご負担いただくことはなく、保証料金を追加でご負担いただくなどの不利益を被る事はございません。
自動車保証(ワランティ)では、車両の自然故障などにより発生した不具合部品を交換等の方法により修理を行います。修理費用は事前に支払う事はなく、該当部品を修理工場へ支給し、修理実施後、保証会社が認めた費用を修理工場へ支払います。
近年、ワランティサービス(保証サービス)の利用増加に伴い、当サービス取扱事業者が増加、拡大サービスも多様化しています。
日本ワランティ協会では会員事業者向けに情報の共有を定期的に行っており、業界全体の保証商品流通の適正化を図っております。
引き続き日本ワランティ協会では、良質なサービスをユーザーへ提供する為、ワランティ(保証)業界全体の発展に寄与してまいります。